マクロライド系の抗生物質とは

抗生物質は系統によって分類されています。マクロライド系の抗生物質は、エリスロシンやエリスロシンDS、またクラリスやクラリシッド、そしてルリッドにジョサマイ、ジスロマックなどです。マクロライド系のアジスロマイシンの系統をさかのぼると抗生物質の開発順はエリスロシン→クラリスロマイシン→アジスロマイシンとなっていますが、抗生剤が開発の順序とともに改良され、細菌に対するカバー力が広域になり、副作用は減り、作用時間は長くなってきています。薬剤同士の影響も少なくなってきています。

マクライド系の抗生物質のうちアジスロマイシンは新しい薬で、特にインフルエンザに対する抗菌活性が改善しました。胃での不活性化などの影響は以前と違ってほとんど受けませんし、吸収率も良く感染部位の組織内の濃度を測ると高濃度という検証結果があります。つまり、感染部位に薬が行きわたっていると言い換えられます。そのため服用量が大幅に減り、従来の投薬量の7~14日分を1日1回を3日の服用で済むようになりました。飲み忘れなど防げ、効果の持続を実感することができます。

マクロライド系の抗生物質の働きは、細菌を増殖させるタンパク質の合成を止めるためにリボゾームを壊し、細菌が増えるのをとめて病気を治します。マクロライド系のアジスロマイシンはアメリカのファイザー株式会社が開発したもので、長時間効果を維持できることが特徴です。ファイザーは世界一の薬品開発と販売力をもつ製薬会社で、日本に進出したのが1953年で、日本ファイザーは米ファイザー社の子会社です。ファイザーの代表的な抗生剤としてジスロマックが挙げられます。

マクロライド系の抗生物質は、広い範囲の細菌から身体を守ってくれますが、長い年月の間に抗生物質は、効かなくなってきます。抗生物質が効かなくなってくる菌を耐性菌といいますが、細菌は短時間で増殖するうちに少し違った形の細胞を作ります。その違った形の細胞に抗生物質は効きません。形の違った構造は遺伝子として細胞の中で増え続け、結果的に菌細胞自体の形が新しい形に生まれ変わりそれまでの抗生剤が全く効かなくなるというのが抗生剤の末路です。それでも人間は抗生剤を開発し続けるわけで、前出のエリスロシン→クラリスロマイシン → アジスロマイシンという開発順が生まれるのです。

このように変遷をとげてきた抗生物質ですが、マクロライド系は副作用が少なく、効き目が長く、広い範囲の細菌に効くという、使い勝手のよい抗生物質ですので医療現場では処方されることが多いという指摘もあります。医療現場では、なるべく少ない服用で良く効く抗生剤を探すべく指標があります。MICという最小発育阻止濃度といった意味で、この基準も抗生剤を選ぶ一つの指針になります。この指針も耐性菌が出来てしまうと変わっていくということになります。